管理

多肉植物の夏の水やり法まとめ!時間/回数/量/頻度/置き場所

多肉植物の管理で難しいのが「夏越し」です。

ある日突然バラバラになっていたり、ジュレていたり、焼け焦げてしまったり…。
そんな悲しい経験をした方も少なくないのではないでしょうか。

株の健康な状態をキープしながら夏越しのリスクを回避するには、「水やり」が大きなポイントです。

そこで今回は、高温多湿な日本の夏に最適な水やり法をご紹介します。

多肉植物の夏の水やりに注意が必要な理由は?

砂漠などの暑い地域が原産の多肉植物。

だから夏にも強いはず…とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
でもここで注意してほしいのが、原産地のアフリカや南米と日本では「湿度」がまるで違うということ。

多肉植物は、この「湿度」が大の苦手なんです。
湿度が高くて蒸れた状態になることで、ある日突然のバラバラが起きやすくなるんですね。

日本の気候は、梅雨の時期からだんだんと多湿になるのが特徴。
だから、夏は湿度を中心に考えた管理が必要です。

プラ鉢、素焼き鉢、リメ缶…いろんな器に合うのも多肉植物の魅力ですよね。
でも夏に鉢を触ってみるとかなり熱くなっているのが分かります。

特に黒ポットやリメ缶は、中の土まで熱くなりがち。
そんな中で水やりをしてしまうと、土の中が一気に蒸れた状態になってしまいます。

多肉植物の成長が緩やかな夏に湿度が高い状態にするのはとても危険。

夏の水やりは、「頻度」「量」「時間」にこだわりましょう。

多肉植物は夏に何回水やりをすればいいの?

気温の高い夏の時期は、たっぷりと水やりをする場合は半月〜1か月に1度程度で十分です。

多肉植物の成長期には1週間〜10日ぐらいの間隔が最適と言われていますが、高温多湿になる夏に同じ頻度で水やりをするのは、株に負担がかかってしまいます。

また、回数にかかわらず葉っぱを触ってみてシワシワになっていたり柔らかくなっていたら水やりのタイミング。

薄葉の品種は特に水切れを起こしやすいので、注意して見てくださいね。

夏に断水する方法もあります。

多肉植物は乾燥した地域が原産ということもあり、体内に水を蓄える機能が備わっているため、夏の間に完全に水を切るのは「蒸れから守る」という意味では有効です。

でも水が切れてシワシワになってしまった株は、直射日光に当たると焦げてしまいやすいというデメリットも。

また、乾燥しすぎて根が機能しなくなり、水やりを再開した時に水を吸えなくなってしまうこともあります。

さらに、乾燥した株にはハダニなどの害虫も発生しやすいこともあり、断水は蒸れ以外のリスクが大きい方法といえるでしょう。

大切な多肉を焦げから守りながら健康な状態を保つには、適度に水やりをしてある程度体内に水分を蓄えてあげることが大切です。

 

そのため、株の体力を落とさずに蒸れのリスクを減らすためには、土が湿る程度に少しずつの水を頻回にあげるのが最適です。

成熟した株は週に1回程度、まだ若い株は2〜3日に1回ほどのペースで、少しずつ水やりするのがおすすめですよ。

葉挿しなどの赤ちゃん株には毎日水やりしても大丈夫です。

多肉植物は何時ごろ水やりするのがベスト?

夏の水やりは、日が傾いて涼しくなった夕方がベストです。

昼間に水をあげてしまうと、高温で土の中の水がお湯状態になって蒸れのリスクが急激に高まります。多肉を蒸れから守るために、昼間の水やりは極力避けてくださいね。

では朝の早い時間に…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ここ近年では日本のほとんどの地域で夏の気温が上がっています。

午前中の早い時間から30℃超え、という地域もたくさんありますよね。
朝に水やりをした場合、土が乾き切らずに暑い時間を迎えてしまうこともあるでしょう。

この場合もまた蒸れのリスクが高まってしまうため、早朝の水やりも避けた方が無難です。

天気予報を見ながら、翌日の気温が低めの日や数日曇りが続く日を狙うのも良いですよ。

多肉植物が給水できる量と頻度の考え方

成長期の多肉植物は、根の働きが活発で水をよく吸います。

一方で、夏は多くの種類の多肉が成長が緩やかだったり、休眠期だったりとあまり多くの水を必要としない時期。
だから水やりも最低限で十分です。

成長期のように鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする場合は、水やりの頻度をぐっと抑えて半月〜1か月に1回程度にします。

ただ、土がしっかりと湿った状態が長く続いてしまうので、この方法は蒸れる危険性が非常に高いです。

そこでおすすめなのが、少しの水を頻回に与えること。

夕方に水やりをして、翌朝には乾く程度の量が最適です。
鉢やポットの1/3〜半分程度が湿るくらいが目安。
それを株の大きさによって2〜3日から1週間に1回くらいのペースで行います。

暑い夏に負けないためには、完全に水を切らさないのがポイント。
健康な状態を保つことで、焦げや害虫のリスクも減らせますよ。

水やり後の置き場所のオススメ

水やり後は、直射日光が当たらず、風通しの良い半日陰で管理するのがおすすめです。
多肉棚などを使って、なるべく地面から離して置くと良いですよ。

高ければ高いほど、安全に管理できます。
風通しを良くするために、電源が確保できるならばサーキュレーターなどを使うのも有効です。

地面に置く場合は、すのこなどを使って鉢底からの風通しを確保するのも忘れずに。
コンクリートやアスファルトからの照り返しにも注意してくださいね。

まとめ

多肉植物の天敵のひとつである「蒸れ」。

夏は蒸れのリスクが一年でいちばん高い季節です。

そんな夏の水やりのポイントは3つ。

  • 夕方に少しの水をあげる
  • 株が水切れを起こさないように頻回に水やりをする
  • 水やり後は風通しの良い半日陰で管理する

それに加えて、株の状態を良く見てあげることも大切です。
ぜひ夏越しの参考にしてくださいね。