つい昨日まで元気そうだったのに、突然多肉がバラバラになっている…。
ちょっと触ったら葉っぱがバラバラと外れてしまった…。
こんな状況に出くわしたことのある方も多いのではないでしょうか。
エケベリアだったらロゼットが崩れて花びらが散ったようになっていたり、つぶつぶセダムだったら茎だけしか残っていなかったり。
こんな状態の多肉を見つけたら、絶望的な気分になってしまいますよね。
この記事では、多肉がバラバラになる原因と予防策についてまとめました。
バラバラ被害を最小限に抑えたい方は要チェックです!
多肉植物がバラバラってどんな状況
いわゆる「多肉植物バラバラ事件」。
その名前の通り、葉っぱがほとんど取れて土の上にバラバラに散らばっている状況です。
そんな悲しい事件ですが、バラバラが起きた時の様子には2パターンあります。
多肉が「ジュレる」
多肉を育てているとたびたび見聞きする言葉のひとつに、「ジュレる」というものがあります。
「ジュレる」とは、多肉の葉っぱが半透明になって、まるでスイーツのジュレのようになっている様子のことを指します。
なんとも言い得て妙な表現ですが、このジュレ状態になっている多肉を見かけたらバラバラが近づいているサイン。
色が綺麗なので、特に初心者さんは紅葉と見分けがつきにくいこともあるかもしれません。
夏なのにある日突然綺麗に色づくということは、何か異変がある証拠です。
ジュレ状態の葉っぱは、触ってみると柔らかくなっているのが特徴。
ちょっとでもおかしいと思ったら、まずは触って確かめてみてくださいね。
下葉のジュレ状態にはすぐ気づけますが、意外と盲点なのが成長点付近のジュレ化。
葉っぱが小さいから異変に気づきにくいんですよね。
成長点付近もよく観察して、「あれ?1枚だけ色が違うかも?」と思ったらピンセットで優しく触って固さを確認しましょう。
柔らかくなっていたらその部分だけ取り除いてくださいね。
茎からのダメージ
ジュレよりさらに判断が難しいのが、元気いっぱいな姿の多肉のバラバラ事件。
これはどんなに対策をしていても起こってしまうので、精神的なダメージは相当なものです。
茎の内部からやられてしまっている場合がほとんどなので、葉っぱから異変を察知できないんですよね。
実際、突然バラバラになってしまった多肉を観察すると茎が黒くなっていたりスカスカになっていたりするのが確認できます。
葉っぱはまだ元気な場合もあるので、葉挿しにして再生の可能性にかけてみると、気分が少し落ち着くかもしれません。
多肉植物がバラバラになる原因は
多肉植物がバラバラになる原因は、ズバリ「蒸れ」です。
高温多湿な夏は、カビなどの菌が増殖しやすい季節。
土がいつまでも蒸れているなど、多肉を腐らせてしまう菌が増えて多肉の中に侵入することで、多肉が弱ってバラバラになってしまうのです。
葉っぱのジュレは多肉が腐ってしまっていることを知らせてくれています。
バラバラになった時にジュレていない葉っぱも、茎との付け根(成長点)部分が黒くなっていることが。
これも多肉が腐っているサインです。
私たちの暮らしの中でも、梅雨〜夏は食材がカビないように保管に気を配りますよね。
同様に、多肉の管理にも気をつけて高温多湿な環境から少しでも守ってあげることが大切です。
多肉を腐らせる菌は、多肉に傷がついている箇所から入り込みます。
植え替え時に傷がついて回復が間に合わなかった根っこ、葉挿しを取った後の茎の成長点、花芽を抜いた後の茎部分などは特に注意。
夏は無駄に多肉に触らないのが安心ですね。
バラバラを予防する方法ってある?
多肉のほとんどは、原産地がアフリカや南米。
高温には耐えますが、原産地と違って日本の夏のように湿度が高い環境には弱いのが特徴です。
そのため、夏の多肉バラバラ事件を完全に防ぐのは厳しいのが現状。
そこでバラバラ被害を減らすための予防策を4つご紹介します。
ぜひ実践してみてくださいね。
風通しをよくする
風通しを確保してあげることで、土が濡れた時の乾きを早くできるため蒸れの予防ができます。
置き場所は棚の上など地面から離れたところがおすすめ。
段が高いほど風通しが確保しやすくなります。
風があまり抜けない場所では、扇風機やサーキュレーターを使うのも良いでしょう。
春や秋に楽しく作った寄せ植えも要チェック。
ぎゅうぎゅうに寄せた可愛い寄せ植えは、多肉同士が密集しているので風通しが悪くなりがちです。
セダムなどこんもりした部分を間引いてあげるなど、スペースに余裕を持たせてあげると風通し対策になりますよ。
直射日光に当てない
夏の直射日光の下では、かなり高温になりますよね。
土が濡れていると、鉢の中は蒸し風呂状態になってしまいます。
また、葉焼けすることで株が弱ってしまう原因にもなります。
ダメージを受けた多肉は、菌が侵入した場合に耐えきれず腐ってしまうことも。
半日陰の場所で管理してあげると安心です。
どうしても日が当たる場所に置く場合は、遮光ネットを使うと良いですよ。
植え替えは早めにする
夏のダメージを最小限に抑えるためには、株の健康を保つことが大切です。
株の健康とは「根をしっかり張らせること」。
根がしっかりしていれば、蒸れや焦げなどの被害を受けてもリカバリーができます。
根をしっかり張らせるためには、春の植え替えを早めに終わらせることが大事。
春の成長期に植え替えをすることで、夏までにしっかりと根を張らせることができるんです。
植え替えの時に根についた傷も早く回復できるので、菌の侵入も防げますよ。
カット苗も根付いた状態で夏を迎えられて安心です。
春の植え替えやお手入れは早め早めを心がけましょう。
ちなみに、植え替えが遅れた鉢やカット苗、葉挿しは置き場所を工夫してもバラバラの被害にあうことが多いです。
不安定な天気に注意
台風やゲリラ豪雨など、不安定な天気にも注意が必要です。
強い雨や風で、普段濡れない場所の鉢にも雨がかかることがありますよね。
そして特に台風が過ぎた後は一気に晴れて気温も上がります。
こうなるともう「蒸れてくれ」と言っているようなもの。
多肉が一斉にダメージを受けてしまいます。
ここで気をつけないといけないのが、バラバラは台風が過ぎた直後には起きないということ。
積み重なったダメージに耐えきれなくなった多肉がバラバラ事件を起こします。
台風が去って暑かったけど何事もなくひと安心!という気持ちになった頃にバラバラになるのです。
夏の間、気をつけて管理していたのに突然変わる気候で台無しになってしまうのは残念ですよね。
気になる方は台風が来る前に室内に取り込むのも良いかもしれません。
それはなかなか難しい、という方は台風が過ぎた後の風通しに特に気を配ってみてくださいね。
屋外で高温を避けるのはどうしても不可能なので、風通しをよくすることで被害を減らしましょう!
まとめ
夏によく起こる「多肉植物バラバラ事件」。
その原因は高温多湿による蒸れにありました。
多肉が苦手とする日本の夏、バラバラ被害をゼロにするのは難しいのですが、被害を少なくするためには「風通しの確保」「直射日光に当てない」「早めの植え替え」の3点が大切。
また、台風やゲリラ豪雨など、普段と違う天候の後は特に気をつけてパトロールしてみてくださいね。