昨日まで元気だったのに突然バラバラになったり、触っただけで葉っぱがポロポロ落ちたり、急に下葉がブヨブヨしだしたり…。
多肉植物がこんな姿になったところに出くわしたことのある方も多いのではないでしょうか。
実はこれ、全部「根腐れ」で起こる状態なんです。
この記事では、多肉植物の根腐れについて解説します。
根腐れの原因や防ぐためのポイントを知れば、多肉をもっと楽しく育てられますよ。
多肉植物が根腐れした状態と原因
多肉植物の根腐れは、被害の進行が早いのが特徴です。
この特徴はタニラーにとっては本当に困るところですよね。
ちょっとでも早く被害に気付くためには、根腐れのサインを知っておくことが大切です。
根腐れした状態とは?
多肉植物が根腐れしているときに見られる状態でいちばん分かりやすいのが、「葉がぶよぶよしている」ことです。
主に下葉が黄色っぽい透き通った色になる、いわゆる「ジュレた」状態ですね。
他には「茎や葉が黒っぽく変色している」「成長点が黒くなっている」「葉の茎との付け根部分がシワシワになっている」といった状態も挙げられます。
エケベリアなど、普段は葉がしっかりしている品種が「触っただけで葉がポロポロ落ちる」時も根腐れのサインです。
また、一株だけやたらときれいに紅葉している時も要注意。
多肉のカラフルな姿は見ていてうれしいものですが、急にはっきりと染まるのは根腐れが起こっている時に起こる状態の一つです。
多肉植物の根腐れのサイン
- 葉がぶよぶよしている(ジュレた状態)
- 茎や葉が黒っぽく変色している
- 成長点が黒い
- 葉の茎との付け根部分がシワシワ
- 触っただけで葉がポロポロ落ちる
- 急にきれいに紅葉した
こんな状態を見つけたら、早めの対策を!
根腐れの原因
多肉植物の根腐れが起こる原因は「蒸れ」です。
多肉植物の主な原産地である中南米やアフリカは、乾燥した気候が特徴。
そのため、多肉も自身の葉に水分を蓄えるなど乾燥した環境で強く生きられるようになっています。
それに対して、蒸れは多肉の生きやすい環境とは正反対ですよね。
蒸れが苦手な多肉は、土が湿った状態が長く続くと根から腐ってしまうんです。
根腐れを起こす季節は主に多湿な状態が続く梅雨〜夏ですが、排水性の悪い土を使っている場合はそれ以外の季節でも根腐れすることがあります。
根腐れを防ぐ方法
多肉植物の根腐れを防ぐ方法は3点。
- 水やりの回数
- 土の配合
- 肥料過多
ここに注意すれば根腐れの被害をぐっと抑えられます。
水やりに気をつける
根腐れを防ぐには、土が濡れた状態を短くすることが何よりも大切。
そのためには水やりに特に注意する必要があります。
高温多湿になる梅雨〜夏は土が乾きにくい季節。
この時期は水やりの回数を半月〜1ヶ月に1回程度に抑えましょう。
多くの多肉植物の成長期にあたる春と秋は水やりの回数を増やしますが、土が完全に乾いてから水やりをするようにします。
土が濡れた状態が続かないように、メリハリをつけた水やりを心がけてくださいね。
冬は空気が乾燥していますが、気温が低いので土が乾きにくい季節です。
この時期も暑い季節と同じく、水やりの回数は半月〜1ヶ月に1回程度で大丈夫です。
季節別水やりの回数の目安
- 春(3月〜5月前半)・秋(9月後半〜11月):10日〜半月に1回「土が完全に乾いてから」
- 梅雨〜夏(5月後半〜9月前半):半月〜1ヶ月に1回
- 冬(12月〜2月):半月〜1ヶ月に1回
寒冷地・高温になる地域などお住まいの環境によって状況が変わることがありますので、目安として参考にしてくださいね。
セダムや薄葉タイプの多肉などは水やりの回数が多めになります。葉っぱがしおれてきたら適宜あげるようにすると良いでしょう。
土の配合に気をつける
保水性が高すぎたり、排水性が悪い土を使っていると、土が乾きにくくなる傾向があります。
気になる時は土の配合を見直すのがおすすめ。
いつも使っている土に「赤玉土」「鹿沼土」「日向土」「パーライト」「川砂」などを混ぜると水はけの良い土を作れますよ。
市販の「多肉植物・サボテンの土」は多肉の栽培にぴったりな排水性に配合されているので、それを使うのもひとつの方法ですね。
肥料をあげすぎない
肥料をあげすぎると、根が肥料焼けしてダメージを受けることがあります。
根にダメージのある状態で水やりをすると、普段より蒸れの被害を受けやすくなることも…。
多肉植物はほとんど肥料をあげなくても育ちます。
肥料は最低限に、あげたい場合は量を守ってくださいね。
さいごに
多肉植物が根腐れを起こす最大の原因は「蒸れ」。
水やりの回数や土の配合に気をつけると、蒸れの被害を抑えることができます。
一方で、根腐れを起こすと被害が一気に進んでしまうのが困ったところです。
こまめなパトロールで根腐れのサインを見逃さないようにしてくださいね。