多肉植物の栽培に便利な鹿沼土。
みんな使っているから…と何となく使っている方も多いかもしれません。
この記事では鹿沼土の特徴や多肉植物の土に最適な配合、鹿沼土だけで多肉植物を育てる時のポイントについて解説します。
普段何気なく使っている鹿沼土を知ると、多肉ライフがもっと楽しくなること間違いなしです!
鹿沼土の性質や特徴とは?
鹿沼土は数万年前の火山の噴火によってできた火山灰の一つで、軽石が風化してできた土です。
栃木県の鹿沼地域で産出されているため、「鹿沼土」という名前がつきました。
多肉植物にも使われることの多い鹿沼土の特徴は、
- 酸性
- 無菌
- 排水性・保水性・通気性に優れている
の3点です。一つずつ見ていきましょう。
酸性
弱酸性のものが多い園芸用土ですが、鹿沼土はpH4.0〜5.0と酸度が高いのが特徴。
鹿沼土単体では酸度が強いので、赤玉土など他の土と混ぜるのが一般的な使い方です。
無菌
肥料成分となる有機質をほとんど含んでいないのも特徴です。
そのため病害虫がほとんど発生しないというメリットがあります。
排水性・保水性・通気性に優れている
もともと軽石ということもあり中がスポンジのように空洞が多くなっているため、通気性に優れています。
また排水性(水はけ)が良いのもポイント。
粒が大きいほど排水性が良く、微塵が出やすい細粒は大粒と比べると排水性は劣る傾向です。
優れた排水性でありながら一粒一粒はしっかり水を含むから、保水性が高いのも特徴。
普段は白っぽいのですが、水を含むと黄色っぽくなり、色の変化で土が濡れているのが分かりやすいので水やりの目安になります。
多肉植物の配合土に使う割合
自分で配合した土を使って育てるのも、多肉植物の楽しみ方の一つですよね。
でもお店に行けばいろんな種類の土があって、どの土を使うのか迷ってしまう…という方も多いはず。
おすすめは鹿沼土1:赤玉土1:腐葉土1の配合。
無機質で肥料分を含まない鹿沼土と赤玉土に、有機質の腐葉土を入れる組み合わせです。
ここで注意してほしいのが、鹿沼土と赤玉土は「小粒〜細粒」を使うこと。
細い根っこが張りやすくなる他、小粒な土は寄せ植えにも使いやすくオールマイティーに使えますよ。
この配合をベースに、黒土やくん炭、バーミキュライト、パーライト、川砂などを足してお好みの土を作っていきます。
初心者さんで一度にたくさんの種類の土を揃えるのは大変、という方におすすめなのが市販の培養土を取り入れることです。
鹿沼土と赤玉土、培養土をミックスして作っていきます。
土をいろいろ揃えなくて良いので、気軽にいろんな配合の割合を試せますよ。
私は水やりの回数が多くなりがちなので、培養土に対して鹿沼土を2倍の配合にしたら夏越しが少し楽になりました!
水やりが好き、ついつい水をあげすぎちゃうという方は鹿沼土多めの配合で、反対に水やりの回数を減らしたい方は保水性を上げるために赤玉土多めの配合にすると良いですよ。
鹿沼土だけでも多肉は育つの?
「多肉には鹿沼土だけで大丈夫!」というのは最近よく聞く育て方です。
結論からお伝えすると、鹿沼土だけでも多肉は育ちます。
鹿沼土には無機質で養分がないので、ぎゅっと締まってコロンとした形に仕上げることができますよ。
また、多肉にストレスがかかるのでより鮮やかに紅葉するというメリットも。
でも鹿沼土だけで育てるのにはちょっとだけコツが必要なんです。
鹿沼土だけで多肉植物を育てる際のポイントは以下の4つです。
- 水切れに注意
- 成長はゆっくり
- 素焼き鉢よりプラ鉢で
- カット苗の根出しに最適
では一つずつ解説していきます。
水切れに注意
鹿沼土は保水性に優れているのが特徴。
一方で土の粒の中の空洞が多いため、思っている以上に乾きが早いのも事実です。
だから鹿沼土だけで多肉を育てる時は、水やりの回数を多めにする必要があります。
多肉植物は乾燥には強いものの、根っこの成長には水分が大切です。
水が切れて乾燥した状態が続くと、根が乾きすぎて枯れてしまうことも。
鹿沼土だけで育てる場合には、こまめな水やりを心がけてくださいね。
成長はゆっくり
鹿沼土は栄養分を含まないので、多肉の成長ペースはゆっくりになります。
その分葉が伸びたり徒長したりということは少なく、形よく育てられるのが良いところ。
多肉を早く大きくしたい方には、鹿沼土だけで育てるのは物足りないかもしれません。
肥料を入れてあげると成長を促進できますよ。
素焼き鉢よりプラ鉢で
鹿沼土だけで育てる時は、素焼き鉢よりプラスチック製の鉢やポリポットを使うのがおすすめです。
鹿沼土は乾きが早いので、風通しの良い素焼き鉢を使うと水切れを起こしやすくなります。
プラ鉢やポリポットを使うことで水切れによる枯れを防ぐことができますよ。
カット苗の根出しに最適
カットした苗が根を出すまでは、鹿沼土の上に置くのが良いでしょう。
無菌で清潔な鹿沼土は、カットしたばかりで根のない多肉苗を安全に管理できる場所。
鹿沼土だけを入れたトレーを1つ用意しておくと、自宅でカットした苗やお店で買った韓国苗の一時置き場に重宝します。
私も鹿沼土トレーを1つ常備しているのですが、カット苗を並べたトレーは見た目にも可愛くておすすめですよ!
さいごに
保水性・排水性・通気性に優れていて多肉植物と相性の良い鹿沼土。
無菌なので病害虫の心配が少ないのも良いところです。
鹿沼土だけで多肉を育てると、コロンとした形の色鮮やかな姿にできます。
育て方のポイントは、鹿沼土は乾きが早いので水切れに注意すること。
養分を含まない鹿沼土単体では多肉はあまり大きくならないので、お好みで肥料を混ぜてみるのも良いですね。